「MY BACK SPEAKS VOLUMES.」 直訳すれば「私の背中が雄弁に語っている」。

ちょっと聞き慣れない英語だけど、意味としては「背中がすべてを物語っている」とか、「言葉にせずとも伝わるものがある」みたいなニュアンス。
このTシャツのデザインでは、その言葉を前面の小さな吹き出しでつぶやいています。この “背中” というのは「自分の生きてきた道筋」や「自分自身の行動」を指す暗喩であることは、多くの人がメタ的に理解できると思います。
さて、Tシャツの背中には、アルファベットや数字、日本語の50音がリング状に配置されたコード表がレイアウトされています。

これは、文字とそれを音で伝える単語が並ぶいわば「音の記号辞典」のようなもの。 リング状のデザインは、回転式のエンボステープライター風のアレンジです。
ちなみに、最初のデザインでは前面にリング状のコード表を配置していました。 コード表のデザイン自体も今とは違いますね。

「G」がgragre.comとなっていますが、これは僕が当時運営していたgrass green closetというインディーズTシャツブランドのURLでした。 今はもうこのドメインは手放しています。

無線や軍用、航空などで使われるこのコードは、本来なら情報伝達のための機能的な道具。
でもこのTシャツでは、伝えたいのが着ている本人だとすると背中のコードを見ることができない。
対面している相手が何かを伝える手伝いをできるかというと、着ている人が後ろを向かないとその意図が汲み取れない。 ということは、この場にはもしかしたら3人以上の人間が介在する必要があるのかもしれません。
私がいて、あなたがいて、更に助けてくれる他の誰かが必要。
そんな状況で「背中が雄弁に語っている」とつぶやく滑稽さは、人間関係の難しさや、相互的な関係の構築こそがすべての場面で大事なんじゃないかという問いかけを表しているのです。
と、この記事を書きながら思いつきました(笑)
本来の意図は、言葉少なに何かを伝えようとすることは時に滑稽にも映るという皮肉だったんですが、見る人によってさまざまな解釈ができそうで、楽しくなってきました。
それではまた、次のデザインで会いましょう。
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