「命令拒否」から19年のいま、僕は理不尽に「NO」と言えるようになっただろうか

 2006年に「命令拒否」というタイトルで販売していたデザインがありました。

 死屍累々と倒れているのは、おもちゃの兵士たち。

 彼らの姿は、理不尽や無理難題に抗えず倒れてきた自分自身の投影でした。

 そんな中、ひとり立ち上がる赤い兵士
SIR, NO SIR. そんな命令には絶対に従わない

 それは、これまで自己犠牲に甘んじてきた自分を奮い立たせる、誓いのようなメッセージでもありました。

 無彩色の兵士たちは、自分らしさを消して理不尽を飲み込み、やがて疲れ果て倒れてしまった存在。対して、ただ一人の赤い兵士は強い意思を持って「NO」と発する。この対比がデザインに込めたメッセージの核となっています。

 今回のリデザインでは、無数の倒れた兵たちを一人の倒れた姿に集約しました。

 「」としての尊厳や意思をより強く表現するためです。
 そして、デザインの中に毎回入れている僕のサインは、その兵士の顔に重ねました。 それは、この兵士が抗えなかった自分自身であることの証であり、同じ過ちを繰り返さないという、自分への戒めでもあるのです。

 とても個人的な経験や教訓を形にしていますが、僕以外にもきっと、こんな思いを抱えてきた人がいるはずだと想像します。 日常のなかで不意に出くわす理不尽や違和感。 そうしたものに対して「NO」と言える勇気が持てますように。そんな願いをこめて作りました。

 だからこのデザインでは、普段よりも多くのカラーバリエーションを用意しています。 僕がいつもは選ばないような色も含めて。 きっと、その色が似合う人が、どこかにいるはずですから。

8/25まで販売中

hiderino GENERAL STOREではこのデザインを含め10種類のデザインTシャツを、日本国内に向けて2025夏のTシャツコレクションとして販売しています。
⇒ ストアページへ