アレは失敗だった
2025年夏に、応援してくれる人たちに何かお礼がしたいなぁと考えて、段階的に価格が上がっていくという仕組みを実験的に導入してみたんです。 Tシャツ商品の発売時に値引き価格で発売し、1週間ごとに100円ずつ価格が上がっていく。 これを僕は「価値が上がっていく」という解釈で楽しんでもらえるかなぁと思いつき、同時にいち早く購入してくれる人たちへのお礼にもなると考えてやってみたことでした。
結果はほぼ理解されなかった。
当然と言えば当然の結果です。 一般的ではない何かを受け入れてもらうには相応の理由や反復することによる慣れが必要です。 それでもやってみたかった、実験に踏み切った僕の判断は失敗でした。
普通が一番いい
あの夏からずっと、販売に伴う価格設定やお客様へのお礼について考えてきましたが、いま選択したのは普通に販売することです。 僕の作ったものを買ってくれる人たちに対して一番誠実な恩返しは、ひとつひとつのデザインにしっかり向き合って仕上げていくことで、値引きすることではないはずですから。
というわけで、普通にいつ買っても同じ価格で、普通にショッピングカート方式でシンプルに買い物ができることを安定して続けるのが一番いい。 普通ってすごいです。 何か新しいことを考えたり受け容れなくてもスッと理解できるんですから。
販売期間も定めない
価格変動の仕組みとともに、2025年夏はTシャツの販売期間も6週間に限定していました。 これは、あの夏のコレクションが懐古的に昔作ったデザインのリメイクと再販で構成されていたっていうのも大きな理由。 だいぶ前に作ったデザインをリメイクして、いまも通用するものになるのか試したかったこともあるし、これから僕が作っていくデザインはコレクションごとにテーマを設けて構成していくので、一貫したテーマで集められたわけではない2025夏のコレクションは継続して販売するつもりがなかったんです。
2025-2026冬のコレクションからは、シーズンごとのテーマを軸に展開するわけですが、これは一般的なファッションブランドによるコレクションやシーズンの考え方とは少し違っていて(また普通と違うことをやろうとしてる)、次のコレクションが発表されても以前のコレクションは引き続き購入できるようにします。 受注生産での販売だからこそ、こういうやり方もできるんです。 だからといって「いつでも買える」のかというと、僕の気分や考え方によって販売終了するデザインが出てくるかもしれないので、ご理解いただけると助かります。
というわけで、懲りない面もある僕ですが、基本的にはいつもお届けする先、お客様がどんなふうに僕のデザインを楽しんでくれるか想像しながら楽しくデザインしています。 デザインとそれを知ってもらうための動画や記事の制作に時間と労力をかけることが一番みんなの得になると思うので、特別なセールや安直なキャンペーンなどは設けず、いつも普通にお買い物できる環境が提供できるよう努力を重ねていきます!
これからもよろしくお願いいたします。




